インタビュー取材で私が大切にしていること

多岐に渡る取材をさせて頂けるというのは、面白くて本当に有難いです。
普段自分からだと中々出会えない事柄や情報を聞いたり体験できるので、とても刺激的!
インタビュー取材は好きな仕事の一つです。


取材させて頂く方のお話も興味深く凄いんですが、インタビュアーであるライターさんや編集さんの聞く力もやはり凄い。

人によっては話すのが苦手な方や普段話す立場にいない方も。
そんな方々でも、自然と気持ちよく、話したくなる質問や展開をしていくインタビュアーさんたち。
彼女/彼らからたくさんのことを学ばせて貰っています。

私自身がインタビュー取材で大切にしていることは、撮影していない時の現場の空気を(お互いにとって)心地よい時間にするということ。
撮影の時はもちろんですが、それ以外の場面でも、被写体との距離感を縮め、相手に「この人なら撮られてもいいかな」と少しでも安心してもらえるよう心掛けています。

昔むかし、写真を撮られると魂を抜かれるというような話が流行りましたが、実際写真を撮られる時ってどこか緊張したり無意識に不安を覚えたりしますよね。
その不安を少しでも取り除けたらと。


余談ですが…
[昔、浅草の街を歩いていたら後方から来た男の人が突然私の前に立ち、写ルンです(使い捨てカメラ)で私の写真を撮り、走り去って行ったことがありました。ピントもブレてるんじゃないかってくらい一瞬で、本当に怖かったです。これは極端な話で、お互い仕事という了承した上での事とは大分異なりますが、撮られる側の不安を実感した瞬間でした。知らない人の手元に写真が、ネガ(データ)が残るんです。怖い。今は携帯などで、どこで撮られてるか分からない世界になってしまいましたが…。]
話を戻します。

取材対象者は、インタビュアーさんとは話しているので心を開いていたとしても、
「さあ撮ります」となった時に一言も会話をしていないカメラマンにすぐには心を開いてはくれません。
(撮られることをお仕事にされているプロの方達はまた別です。)

じっくり撮影の時間を掛けられるなら、撮りながらゆっくり話すことも出来ますが、基本的に取材時間は長くないことが多いので、そんなに時間は掛けられません。

そんな時は取材が始まる前や場所移動などちょっとした隙間時間に私からも質問したり世間話をしたり、
インタビュー中でもライターさんの後ろで話を聞き頷いてたり、面白い時は笑ったり、
たまに思わず声を出してリアクションしてしまうくらい真剣に話を聞いています(ライターさんの邪魔にならない程度に)。
そうすると、撮る時に「〇〇のお話興味深かったです」「私も〇〇が好きなんです」と共通点などを伝えることもでき、相手の表情もほころんでくれます。

たまに話が盛り上がり過ぎて、逆に撮影が止まることもありますが(笑)。


撮影の仕事を始めた初期の頃は、ただただドギマギして、インタビューの邪魔にならないようにと(私が)強張った顔で隅っこに座っていたこともありました。
なので、撮る時には私も相手もど緊張。
こちらから心を開かないと相手も安心できない。
当たり前のことかもしれないですが、昔は初めて会う人と話すのがあまり得意ではなかった自分なので、変わることに自分が開くことに、戸惑いもありました。


でも純粋にその取材の内容に興味を持って接して行けば、自然に自分も開き、必然的に現場の空間も良くなるってことなんですよね。